自治とは?

自治とは

 恵迪寮では約400人程が共同生活を送っています。全員とコンタクトをとる、なんてことはそうないのでそこは安心してください。ですが、一人暮らしや学生会館に比べて人との関わり合いが非常に多いのがここの特徴です。そうなると一人一人の出身から生活リズム、さらには価値観なども違ってくるわけですから、意見のぶつかり合いが起こります。「洗濯物を廊下に干さないで」「夜はもっと静かにして」「もっと遊び道具を寮に置きたい」など…。こういった意見を持つ者同士がお互いに最大限納得のいく形で欲求を実現させることができるのが「自治」。すなわち当事者同士の話し合いによる解決です。寮で起こった問題は、そこで生活する私たちがもっとも実情を把握しており、解決のための話し合いもスムーズに行うことができるでしょう。大学に判断を任せるという方法も考えられますが、お互いの意見を尊重し、より良い解決方法を導き出すためには自治が適していると私たちは考えています。より良い寮生活のために、私たちは話し合いによってこの寮を治めているのです。

 ここまで読んでくれた方には自治に対してどのような印象を抱いたでしょうか。自分達の生活を自分達で作ることができることへの魅力を感じた方もいれば、好き勝手する人がいそうで怖いと思った方もいるでしょう。この寮は金銭的に余裕のない学生のために北海道大学が用意した寮です。そのため、その大前提から外れた原則の設定などは基本的に許されていません。つまりは何もかも好き勝手にできるというわけではないということです。さて、自治を行っているこの寮ですが、その自治を行うために我々は「自治会」を結成しています。前述したように、この寮では意見のぶつかり合いが起こりやすいです。そこで、まず意見をもつ全員が参加し、意見発信できる場が用意されていなければなりません。400人が集まって議論する場所を提供するのはかなり難しいことですが、それでもなるべく多くの人が集まって意見を発信できるような仕組みを私たちは整えています。それを保証するのが自治会です。

 まず、学生だけで寮運営を行うことは大きな責任が伴いますし、自治会を結成しているが故に生じる大変なこともあります。しかし、共同生活をし、自分達の生活を自分達の手で作り上げることは、その大変さを大きく上回る魅力や自由があります。寮でやりたいことがあれば、協力してくれる仲間がすぐに見つかることでしょう。様々な活動を通してあなたの想像以上に魅力的な人間関係を築く築くことができます。また、異なる考え方や価値観を持った寮生と話し合いを重ねていくことによって、自分の考えがより深まるようなこともあるでしょう。それほどに、この寮での話し合いは自分自身の成長や寮生同士の交流に大きく影響するものだと私は信じています(320期新歓パンフレットより 一部抜粋・修正)